534話フィアンセなのに実はエキストラワンになった彼女

「それはあなたの関知することじゃない。要は――私の許可なしに、彼に指一本でも触れようなんて思わないことね」

ゾーイはそう釘を刺した。

ジェームズの殺気が、さらに濃くなる。

ここで引き下がるつもりなど、最初からない。

彼は説得にかかった。「君は今、ダニエルの返事待ちなんだろう? はっきり言う。俺はあいつをよく知ってるが、絶対に首を縦には振らない。俺がこの件を一気に片づけたいのは、実のところ君のためでもあるんだ」

「騙そうとしないで。そんなこと言われたからって、あなたの提案に乗ると思わないことね」

ゾーイは微動だにしなかった。

ジェームズは内心で舌打ちする。

やはり女と組むのは厄介...

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